さて、前回に引き続き今回も旅を続ける。

今回は、同行者ありで、その同行者の希望もありで全くのあてのない旅とは言えないかもしれない。
同行者はTさん。C大学の同じゼミの院生である。Tさんのたってのご希望で「大阪コテコテツアー」を実施することになったのだ。
案内役は、この自分。

はっきり言って気乗りしない。大阪にもいっぱい良い所はある。しかし彼の指定してきた場所は「いかにも」というところだから・・・。

さて詳細はいかに。


第1回 神戸南京町と大阪コテコテツアー(東京〜神戸〜大阪)
第2回 清水詣でから北陸路へ(大阪〜京都〜金沢
第3回(NEW) 加賀百万石の町並み(金沢市内)
第4回(NEW) 山々を背にフォッサマグナとヒスイの街へ(金沢〜糸魚川)
第5回(NEW) 残雪の中部山岳を通って、首都東京へ(糸魚川〜東京)
今回も、接続が良い7時24分発の各駅停車伊東行きで出発した。
特急踊り子号の車両。行き違いでTさんと違う車両に乗ってしまうが何とか携帯で連絡して車内で合流。
今日は何とか普通車に乗ることが出来た。
何しろ前回はグリーン車にしか乗れず、いきなり3000円近くも無駄な出費をしていたので、今回も覚悟していたがTさんが機転を利かせて早くから並んでくれていたので何とか乗れたのだ。
ちなみにTさんは、東京中央郵便局に用があって1時間ほど早く来たのだそうだが、この列車のためにもう既にそのときから並んでいた人がいると言うからオドロキだ。

マニア侮りがたし。
熱海で下車。
接続の豊橋行きを待つ。発車前から席は埋まりかなりの乗車率。下手を打つと座れない、座れないまま豊橋まで行くのは結構大変だ。
駅の掲示板に注目しながら、並ぶ位置を確認する。
電車の種類や両数によって並ぶ位置が異なるから注意が必要だ。
そして豊橋へ。
新快速を一本見送り、次の快速に乗る。
理由は、次の快速は米原まで直通するから。大垣〜米原はなぜかものすごく混む。乗り換えだと座れないことが多い。

だから直通電車があればそれを選ぶのが無難。
この電車も結構混んでいる。

豊橋出発直後はそれほどでもなかったが、その後各駅で乗客を拾い名古屋までは満員。名古屋で乗客が入れ替わりまた同じくらいの混雑。
意外と大垣の先の垂井や関ヶ原までのる客もいる。
そして、米原駅へ。
今まで4両編成だったが、ここから先は12両。
かなり余裕があるので、米原出発の際座れないことはまずない。
それでも停車駅を追うごとに乗客は増えて京都到着ごろには立ち客が出るほどになる。
京阪神間は1日中、始発から終電まで新快速が大混雑だ。
と言うのも時速130キロでかっ飛ばし特急並みのスピードと安い運賃が売り物だ。

以前は私鉄有利だったが、いつの間にかJRが逆転して一人勝ちした。

写真は連結を確認する車掌さん。
こういうマナーの悪い奴がいるんだよね。
靴ぐらい脱げよ!自称おせっかいTさんは以前はこういうのを見ると注意していたそうだが、最近はあまりにもバカだらけなのでそんな気力もないそうだ。
Tさんの希望で南京町へ。
南京町は神戸の元町駅から歩いて3分くらい。新快速を三宮で降り向かいの各駅停車に乗り換えて一つ目。

ここは自信を持って勧められる。街中も清潔だし路地裏でも明るい。
南京町の商店街。
おみやげ物屋や中華料理などを売る店がたくさん。

ミニ上海かミニ台北と言った感じ。
門のところが入り口。
横浜の中華街ほど規模は無いが、庶民的でこちらのほうが色々楽しめる。ボッタクリのような店もないし色々はしごして楽しめる。
大体店先で、海老の団子を揚げたものや、北京ダック、饅頭、チャーハンなどを売っている。
一つ300円くらいなので、ぜひいくつも試してみてください。

本格的な料理を出す店もある。
とりあえず、新大阪まで戻り、荷物をホテルへ。
最小限の荷物を持って、これからTさん希望の「コテコテツアー」の案内役をする。

ここは南方駅。とりあえず地下鉄の1日乗車券を買ってスタート。
心斎橋で下車。

なぜならあの「グリコ」が万歳している看板やチカチカ光るネオンの道頓堀が見たいというご希望だったので。

しばらくぶりに行ったら、変なプラスティックの2メートルくらいあるフェンスがあった。飛び込み防止用だと思うがかなり美観を損ねる。何を考えているんだか。

あとは、ホストやホステスがいっぱいで、飲み屋街を歩こうものなら袖を引っ張られて大変だ。

歌舞伎町より怖いかも。
何しろヤクザだらけ。タクシーもヤクザ。乗って行き先を言うといきなり料金を請求する運転手がいたし。
これは、かに道楽の看板。

ところでかに道楽ってうまいかな?
いまどき色々な販売ルートもあっていろいろなお店で美味しい蟹を食べることが出来るし。
橋を渡ると少し堅気の世界。
法善寺横町も近く飲食店街。
で、でた〜
これが、くいだおれ太郎。ここの看板おじさん。
これをバックに記念撮影をする人も多い。Tさんも撮った。
そして、Tさんの希望で中に入る。
とりあえず、ここの推薦メニューを頼んでみる。

ビフテキとハンバーグとエビフライの詰め合わせでボリュームが売り物だとか。ちなみに1980円。
Tさんの顔が引きつっている。
「な、なんだこの肉は!?」そういえばTさんと自分のステーキが全く同じ形だ。

そうなんです。ステーキもハンバーグもニセモノ。

食品に詳しいTさんによれば、ステーキは「澱粉6:肉エキス3:その他:1」ハンバーグは「寒天7:ミンチ肉3」だそうだ。

いまどきこんなのファミレスでも出ないよ〜
もう一つ驚いたのは、ゴミ袋が未だに黒いこと。
東京ではカラスが散らかしていくが、大阪では浮浪者が散らかしていく。
通天閣とゴミ袋。

昨今問題の大阪市ですが、どうにかならんのですかね?
客引きとか町の環境美化とか・・・。
こうやって、行政主導で何か禁止したりすると、天王寺の路上カラオケしかり、「それもまた人情やないか〜」と反発されるんだろうな。

東京の恥と言う言葉は存在しないが、大阪の恥と言う言葉は、昔から存在する。大阪を常に他の都市に並ぶような高度な都市形成を目指す人々の志の足を引っ張ったことが、こんな言葉になって現れているのだと思う。

そして翌日、新大阪のホテルをチェックアウト。
昨日の大阪コテコテツアーは悪夢だった。
新大阪から新快速に乗って京都に向かう。
そろそろ桜の季節だ。とリあえず、駅から比較的近い清水寺に向かうが・・・


な、なんだ、この行列は!?
ちなみにタクシーを待つ客の行列。普段は閑散としているタクシー乗り場がこの有様。

バスはもっとひどい。乗車まで軽く1時間は待たされそう。
・・・ということは・・・、渋滞もひどいはず。

しょうがないので、地下鉄へ。
南北線と東西線を乗り継ぎ、三条京阪へ。
ここで京阪電車に乗り換えて七条で下車。
380円かかる。

バスだと230円なので、大体の人はこのルートを選ぶ。
タクシーだと至近まで行けて1500円程度。
京阪七条駅で下車。後は徒歩。
結局、京都の地理を知らないとまともに観光も出来ない。

途中、むしこ作りの仕舞屋(しもたや)を発見。
昔、商売をしていた家が店の部分に格子をはめ込み、囲いをした造りだ。
こういう家も最近は少なくなった。
京都駅方面から、市内へ向かう車。
とにかく渋滞。

歩くほうが早い。
今日は茶碗坂から昇る。
もちろん混雑を避けるためだ。こちらのほうが土産物屋も少ないせいか、人が少ない。


途中、異常なまでにクラクションを鳴らす観光バスがいた。
どうも老舗系の観光バスではなく例の規制緩和で運送会社などを出自として出てきた新興系の観光バスっぽい。
必然的に運転手は、元トラック野郎。

Tさんが、「うるせーぞ、バカ!!」と怒鳴っていた。
で、清水寺に到着。
桜はまだ開花したばかり。天気も良くない。

とりあえず、お約束の出世大黒へお参り。
以前Tさんと参拝したことがある。そのとき自分が1000円を賽銭箱に入れて、Tさんが10円を入れようとしたら10円玉がはじかれてどこかに転がっていった。
Tさんによればそれがケチのつきはじめで、後に苦しんだのはそのせいじゃないかと言う。

今回は二人ともとりあえず100円と言うことで・・・。
清水の舞台が落ちそうなほどの人、人、人・・・。
この期間は夜6時からのライトアップのため特別拝観をやっているが、昼から入場した客は一回追い出されるらしい。三脚を使っての撮影は禁止。ということはまともな撮影は出来ない。諦めるしかない。

清水寺を後にして、市営駐車場の近くで個人タクシーに乗る。
運転手さんに、「京都駅の烏丸のほうへ」と告げる。
…そしてちょっと世間話。

運転手さんの話では駅に行くには実は駅と逆方向に行き後は碁盤の目を斜め方向に進むほうが早いらしい。
「それじゃ、飛車より角ですね。」というと「そうですわ、今日はその手で行きますか?」と言うのでTさんの了承をとってその手で行く。

運転手さんによれば「経験で道の流れを読んで、お客さんに喜んでもらえるのが本道ですわ」らしい。

今回はグランビアの中まで着けてくれた。
すごいサービスだ。雨にぬれずに済む。今回は気持ちだけおつりの200円を心づけにおいていく。ありがとう溝口さん。
溝口タクシーさんのおかげで京都劇場の中にすぐ入れた。
ここはレストランも多い。

ここで、Tさんと昼食。
そして、Tさんと別れ自分は米原方面へ。
やっぱりかなり乗っている。Tさんは大阪へ戻っていった。

実を言うとTさんは急ぎの用があるらしくl、ドン行の旅を諦めて例のぷらっとこだまグリーンプランで帰ろうとして前日JR東海ツアーズを訪ねたのだがなんと夜7時には閉まっていた。それでは仕方ないと言うので飛行機をIモードで予約。ANAは満席。仕方が無いのでJALへ・・・。するとJクラスのみ空いていた。これは奇跡。例の事故の影響か…?
またも米原駅に変わった列車が…。
と言うことは、またマニヤでいっぱいか???

と思ったらそういうわけではないらしい。
意外と閑散とした米原駅。

前回の騒ぎがウソのよう。
それでも東海道線の東京方面に行く列車にはかなりの行列。

対して北陸線は人が少なくこんなもの。と言うわけで行き先は金沢方面に決定!
入って来たのは、419系というレトロかつマニアックな電車。
これで福井まで行く。
さて、ちょっとこのマニアックな電車についての解説。

この列車実は寝台電車の改造車。
つまり、元はベッドが付いた電車だったわけである。
今は、網棚が付いてふさがれているが、ここから上段の寝台が降りてきて、セットされたわけだ。
この電車は、非常に屋根が高い。
それは元々寝台電車だった証拠。現役時代は3段ベッドの寝台電車として活躍していたが新幹線の登場や飛行機の大衆化で活躍の場を奪われてドン行電車に改造されたのだ。
本当に天井が高い!
網棚は後でつけられたもの。

網棚に乗っかっているのは、今回の無駄な買い物。
実は、京都駅でTさんが「思ったより寒いので防寒着を買いたい」というので付き合った伊勢丹でついでに自分が買ってしまったもの。バーバリー・ブラックレーベル。
さすがに元ベッドだっただけあって、前の席までの間隔がものすごく広い。

自分の長い足(?)でも向かいに座った人とぶつからないで済む。
現役時代は、椅子の下に仕掛けがあってそれを引き出して、ベッドにしていたようだ。
こうして見ると広さが分かると思う。
隣は女性だが足を組んでも余裕だ。


ちなみに、まだこの電車の同僚が活躍している唯一の寝台列車がある。大阪〜新潟の急行きたぐに号だ。A寝台車、B寝台車普通座席車、グリーン車が混ざった多色な列車だ。
さて、電車は北東へ進んでいく。
琵琶湖の東側を走っているはずだが、琵琶湖は見えない。

やっと水面が見えてきたので「琵琶湖か?」と思ったら、余呉湖という湖らしい。
近江塩津駅。
ここは、湖西線との合流地点。大阪方面から来るサンダーバードなどは、湖西線を経由する。
敦賀駅へ。
最近、ディーゼルから電車に変わった、小浜線。

電化は直流だ。
もともと敦賀は交流で電化されていたが京阪神を機軸に考えるJR西日本は直流で電化した。
正しい選択だと思う。
敦賀⇔京阪神が新快速で結ばれるらしい。
と、いうことは新快速に交流と直流の両方走れる電車が導入されるか、敦賀まで直流電化されるかどちらかである。

多分、後者でなないか?
敦賀駅で結構長い時間停車。
その間特急などが追い越していく。
北陸トンネルを抜けるとまだ残雪が残る地域へ。
北陸トンネルは昔悲惨な火災事故があったところ。食堂車のオーブンから出火。食堂車を切り離して脱出しようとしたところ電線が焼け電気機関車が動かず脱出不能に。

結局相当数の犠牲者を出したのでした。
今は、車両の防火対策も万全で、かつ食堂車はほとんど消えてしまったのでそういう事故も過去のものとなった
敦賀から福井までは、かなりの混雑。
バレースクールの小中学生の女の子の団体でにぎやかに。

あとは気比の松原を歩いてきたおばさんのバッグパッカーの団体と、中国人の留学生のグループ。
そして福井駅に到着。
写真はえちぜん線。この鉄道はもと京福電鉄と言う由緒ある会社の経営だった。しかし近年死者を出すような事故を多発し、経営危機に。
結局第三セクター方式で存続している。
福井からの乗り換えは、金沢行き。
この電車は、413系という急行型の電車から改造されたこれまたマニアックな電車。
今、JRで急行を名乗るのは夜行の「銀河」や「能登」、そして例の「きたぐに」くらいしかない。以前は特急の補佐役として急行という列車の地位は確立されていた。しかし時代と共に新幹線が主役となりその補佐役が特急となると急行の立場は奪われその役目を終えた。

そして余った急行用の車両は、ドン行用に改造されたのである。
福井駅で通過していく、特急。
何度抜かれただろうか?
福井から金沢までは、そんなに混んでいない。
1ボックスに一人か二人。

風邪がひどい女の子が乗っていてしきりに咳、くしゃみをしている。
移さないでくれよ〜
芦原温泉駅。
温泉が近いかと思えば、かなり遠いらしい。
昔は違う駅名だったが、地元のイメージアップのため、駅名に「温泉」とつけたそうだ。
いきなり電車が停車。
「踏み切り故障のため徐行します」
とのこと。
警笛を鳴らしながらゆっくり踏み切りを通過する。
その影響で、特急をやり過ごすために臨時停車。
目の前を過ぎていくサンダーバード号。
例の踏み切り故障でこの電車も遅れているらしい。
3分ほど遅れて金沢到着。
ここは金沢駅東口。知らない間にオブジェが出きていた。
Iモードで予約したホテルは、西口から徒歩3分。
ここは、西口の新玄関。

定期的に落下傘が下りてくるオブジェが完成していた。
どこの自治体も色々なアイデアを出しながら、頑張っているみたいだ。
翌日は、金沢市内を観光。
北陸鉄道では、金沢市内の名所を15分おきに周遊する便利なバスを運転している。
1回乗車で200円。フリーパスは500円。当然500円のフリーパスを買った。

あとは900円の観光フリーパスと言うのもあり、これだと金沢市内の230円区間のバスならどれでも乗り放題で、周遊バスも乗れるそうだが、なれない土地の路線バスってどこを経由してどこで接続しているのか、、さっぱりわからない。
理由の一つは、バス同士の乗り継ぎを考えている会社がほとんど存在しないため電車のようなはっきりした路線図を公表している会社が少ないことが原因だと思う。

地元の人でも知らないことが多いわけだ。
というわけで、単純な観光用ループバスで観光することに決定。
駅前のバス案内所でパスを買う。関東地区のバスカードのような体裁のカードで機械を通すと日にちが入力される仕組みらしい。

加賀百万石の城下町の代表的な町を観てみることにする。

昨日の、金沢駅の新しいオブジェ。
昼間見てもなかなかデザインが良い。ちなみに写真右に見えるビル2棟は、左が日航ホテルで右が全日空ホテル。通りを介して向かいって建っている。

そういえば以前から羽田〜小松線は両社の激戦区。
金沢駅には北陸新幹線の高架橋も完成し始め、新幹線が出来たらJRを含めて3社の三つ巴か?
観光用のループバス。
1回200円。乗り放題のパスは500円。

このバスを含めた3台で市内を循環する。
浅野川大橋にて。
意外と流れが速い。県庁所在地級の市内を流れる川でここまで早いのも珍しいのでは?

以前は、浅野川や犀川で市内でもゴリがとれたそうだが、今ではほとんどとれないらいい。
浅野川の園遊会の舞台の準備中。
桜は、まだまだという感じ。

町の景観に合うように新しいビルでも和風に建てられ古くからある建物と違和感がなく共存している。
東茶屋街にて。
まるで映画のセットか?とでも思わせるくらいの整った建物。
コールドパーマの看板を掲げる美容院。
コールドパーマって薬品を使う普通のパーマ。
その昔は熱を使うアイロンパーマと区別してこんな呼び方もあったようだが、既に死滅しているかと思えばこんなところに・・・。
こんな駄菓子屋の記憶ありませんか?

意外と東京では下町より世田谷とか城南地区にまだあるのだ。
だから自分の世代でもこういう店を、懐かしいと思ったりする。

駄菓子もまだまだ現役で名古屋あたりで作られている。
宇久須神社。
前田利家公を、息子の利長公が御祭りした神社らしい。

前田公の領地に入ったのでまずは、ご挨拶。
おみくじを引こうとしたら「50円を賽銭箱に入れてください」とあったので、100円を入れて50円はお賽銭、50円はおみくじということで・・・

なんか気が引けるような感じもするが、50円なかったもので。

浅野川の横の交番。
交番も景観に溶け込むように設計されている。

あと小型乗用車を使ったパトカー。
最近は、凶悪犯が増えてパトカーもクラウンとランドクルーザーを熱心に導入中。最近は平気で体当たりして(車が盗難車=高級乗用車だから)逃げる犯人も多く、犯人追跡が出来なくなってしまうから、丈夫で速いこの2種類の車を積極的に導入しているとか・・・。

金沢にはそういう緊迫した感じはなく、こういうほのぼのした雰囲気が似合う。
金沢城。
平成6年まで金沢大学だったところ。

ちなみに金沢大学は「きんだい」というらしい。「きんだい」は大阪では「近畿大学」
関係ないが「めいだい」は名古屋では「名古屋大学」。東京では我が「明治大学」。

この橋も大学移転の際に兼六園とを結ぶ橋として完成した。
大学移転後、城郭の一部が復元されている。
これは、50軒長屋。
普通のカメラでは入りきらないほど長い。

それでは、中に入ってみる。料金は300円。
場内は土足厳禁。
靴をビニールに入れて、スリッパを借りる。

とにかく良く復元されている。
物見櫓に上がる階段。
とにかく急だ。

色々な城に行ったがどこの階段も怖いぐらい急。
昔の人が現在の人間とそんなに体の差があったとは思えない。坂本竜馬も自分とほぼ同じだったと聞いているし。

とりあえず、気をつけて上に上がってみる。
物見櫓にて。
一段高くなっているの見晴らしがよい。
格子の隙間から白山がのぞいている。
そして50軒廊下。
とにかく長い。

天井の梁などみてもかなり丈夫に設計されている。地震にも強くまた合戦のための城と言う役目を全うするためにかなり丈夫な設計なのだろう。
ただしやはり木造なので火災には弱く何度も焼失しているそうだ。
城の安全を祈念して埋められた、刀や手鏡、銭だそうだ。
そして、向かいの兼六園へ。
料金は大人300円。

一回料金を支払うと一日何度でも出入りできるらしい。

いきなり入り口付近で良い被写体を発見。
兼六園自体、すばらしい苔に覆われている。
兼六園と言えば、これ!、みたいな灯篭のある庭園。
実際にもここで写真を撮る人が多い。

かなり白人の観光客も多く見かける。
嬉しいのはNikon D70を持った人が多かったこと。
ヤマトタケルの像。
熊襲を平定した人物。
いや、実在する人物かは分からないので、神様でしょう。
もちろんそういう敬意をこめてここに奉られている。
成巽閣(せいそんかく)
前田家の奥方御殿。

ちょうど前田家に伝わる雛人形の展示が行われていた。
ここには、ペルシアのものと思われる絨毯がある。前田家が発注したものであるのは間違いなく、鎖国ぎりぎりに渡ったと思われる貴重なものだ。

謁見の間にいつでもあるので是非。

ちなみに成巽閣は料金600円が別に必要。
桜よりまだ梅の季節。
北陸の春は近畿や関東より少し遅い。

梅園では満開の梅が。
瓢池(ひさごいけ)
兼六園の南西の角にある。真弓坂の料金所から近い。
少し淀んだ感じの池。
瓢池の鯉。
人が寄ってくると、集まってくるのは鯉の習性。
そして、兼六園をあとに。
犀川大橋でバスを降りる。

ここは犀川大橋。まるで東京の勝鬨橋のような印象。
歩行者用信号の位置に注目。
北陸一の歓楽街と言われる片町。
スタバや109などあって、確かに賑やかだけどやはり城下町らしくしっとりとしていて、けばけばしさは一切無い。

さて、金沢を後にして東京へそろそろ帰りましょう。
東京帰るには・・・

@小松から飛行機
A米原経由で電車
B長岡経由で電車
Cほくほく線経由(越後湯沢経由)で電車
D富山から高山線・名古屋経由で電車(現在高山線は災害で区間運休)
E糸魚川から、大糸線・松本経由で電車
F高速バス

…その他

とバラエティに富んでいる。
の中で最もマイナーなのはEだと思う。
ぜひチャレンジしてみたい。
何しろ大糸線の糸魚川から南小谷までは一日数本しか電車が無い。とりあえず、時刻表と睨めっこしながら計画を練ってみる。

朝10時にチェックアウトすると、10時07分の電車に乗れる。しかしこれだと糸魚川駅に早く着きすぎるのだ。
そこで・・・時間つぶしを兼ねてホテルのパソコンでよい写真が撮れるスポットがないかなぁと思っていたら意外なところにありました。

倶利伽羅峠で迫力満点の電車の写真が撮れるというのです。しかも駅から徒歩5分くらいらしい。
何しろ撮るのが電車なので乗り遅れの心配も無いだろうとこれで決定。


金沢発10時07分の電車に乗車。
電車が来るかなり前から人が並んでいたが、結構空いている。
主に乗客は、近場に行くおばさん。
あとは、高校生。
良く見るとこの電車には栓抜きが付いている。
しかし・・・いまどき栓抜きを使うのか??

もしかしたらうち栓抜き無いかもしれない。
じゃあ、電車まで栓抜き使いに行かないと・・・。
そして、迫力満点と噂の高い倶利伽羅峠。源平の古戦場跡でもある。近くに神社があったのでお参り。賽銭箱が無く境内の縁台に置いてきた。他にも千円札や硬貨が何枚もむき出しでおいてあったが、大丈夫なのか?

ここでの写真はこちらも参照ください。
倶利伽羅峠は富山県と石川県の県境。

富山県は日本一、一戸あたりの面積が広いらしい。
どの家も大きい。
高岡は銅器の街だそうだ。
どこの沿線でも、歴史や史跡、伝統工芸、そして新しい名物作りに頑張っている。
富山駅には1時間程度で到着。意外と金沢から近い。
また特急に抜かれていく。

ここでは20分くらい時間があったが、既に並んでいる人がたくさんいるので、改札から出るのはあきらめ、行列に加わる。
富山から直江津行きの電車に乗車。
進路を東へと進む。

席はほぼ満席。多いのは学生。
今日はオリエンの学校が多いみたいだ。

あ、そういえば自分も学生だったことをすっかり忘れていた。そろそろ復帰しないと・・・?
少し霞んでいるが、立山連峰。
5月ごろアルペンルートが開通する。今度は是非立山経由で来てみたい。
川を渡るたび、また近くなる東京。
名前を知っている川の名前も多い。

中にはかつて公害などで有名になった川もある。
今ではその当時がまるでウソのように改善されている。
「蜃気楼の街・魚津」
と看板が出ている。是非一度見てみたいのだがいつ出るか分からないのが蜃気楼。
新潟県との県境にかかると、海岸線に出る。
ここは名勝「親不知」
天気の良い日でも日本海の荒波が打ち寄せる。

乗客の数も極端に減った。
残雪を抱く黒姫山(標高1222メートル)があらわれると、すぐに糸魚川駅。
糸魚川に停車中の北陸本線の電車。
ここで大糸線に乗り換え。

さて、ここからがドン行列車の旅のクライマックス。
大糸線の通称北線(糸魚川〜南小谷)に乗る。ここは一日数本しかない超過疎地域。

1995年の集中豪雨火災災害で2年間も不通になっていた。
姫川の改修工事を行っていた作業員の方が何人も亡くなっているので、記憶されている方もいると思う。

そういうわけで、なかなか来る機会に恵まれなかったこの地域に踏み込んでみる。
駅のスピーカーで、「大糸線を走る列車のオレンジカードはいかがですか?豪華台紙付きです。みどりの窓口でお求めください」と案内しているので1部買ってみた。


この区間を走るのは、旧型の車両。自分も含めて都市部人間は、何でも「電車」と言ってしまうが、これは「気動車」。ディーゼルカーである。
何でも勾配線区用としてエンジンを2台積んで昭和31年から41年に作られた車両らしい。(糸魚川駅で買ったオレンジカードの説明から)

この電車(じゃなかった、気動車)の、運転室。
レトロな受話器の付いた無線や、アナログのメーターが並んでいる。
この電車(じゃないって、気動車!)の車内。
いかにもテレビドラマに出てくる昔の汽車という感じ。
1両しかないにもかかわらず混雑はそれほどでもなく、1つのボックスに1人〜2人くらい。
糸魚川の駅の車庫。

同僚の2両が休んでいる。今回の車両はタラコ色だが、ほかに2種類ある。日によって違うようだ。
糸魚川駅を出るとすぐに次の駅。
小学生が降りていった。ワンマンなので、運転手がきっぷを集める。
2〜3駅進むとだんだん残雪が見られるようになって来た。
そして、姫川の上に出る。
この風景をTV映像で見られた方も多いと思う。
濁流になると恐ろしいが、普段は緑色の水を湛えた美しい川である。
雨が降っているのか?
と、思ったら雪よけの上に積もった雪が溶けて、雪解け水になっているのだ。
小谷に近くなると完全に雪景色。
ただし最近降った雪という感じではない。木の周りは暖かいのか、そこから穴が開くように雪が溶け始めている。
中部電力姫川第二発電所。
まだ、水力発電の比率も結構高い。


気動車は、時速20キロくらいのスピードでエンジンを唸らせながら急勾配を上がっていく。
そして、南小谷駅へ。

ここで文字通りの「電車」に乗り換える。2両編成の信濃大町行きだ。ほとんどの人がこの電車に乗り換える。

少々遅れ気味だったので、すぐに発車。
一応、ボックス席はあるが、片側は山手線のような椅子になっている。音も静かで乗り心地も東京近郊の電車に良く似ている。

途中で少し乗客の乗り降りがあるが、山関係と地元のお客。
単線なので、途中で交換待ちがある。
向こう側の電車もこの電車と同じ。
白馬や簗場を過ぎて、大町付近まで来るとほとんど雪は無くなった。
そして、大町駅でまた乗り換え。
今度は富士見行き。富士見駅ってどこ?ということになると思うが、中央本線の小淵沢のちょっと手前。
中途半端なことをしないで、甲府くらいまで行って欲しいなあ・・・
最初は閑散としていた車内。
ところが、松本が近くになるにつれてどんどん混んでくる。見たところ高校生や工場などで働いている人のようだ。
松本駅で混雑はピークに達し、その後岡谷まで続いた。
さて、終点富士見駅。本当に何も無い。
別に接続の電車があるわけでもないので、後から来る電車をもっと手前の駅で待っていても良かったのだ。
手前の上諏訪には、コンビニがあった、ターリーズコーヒーもあった、足湯もあった・・・。
上諏訪にしておけばよかったか?
通過していくスーパーあずさ号。
この電車は折り返しの長野行きになるらしい。え、まだ長野までも行けるの?と思って時計を見るとまだ19時。旅に出るといつも暗くなったら即真夜中のような気がしてしまうから不思議だ。
寒いので、箱みたいな待合室に入る。
とりあえず、風は防げる。中に「列車の旅は心に効くようです」というポスターが貼ってあった。

たしかにそうかもしれない。今回はポスターにあるような華やかな電車ではなくどちらかと言えば、普段の通勤の足や都落ちして裏ぶられた田舎の電車といった地味な存在の電車に乗って旅をしてきたが、ここで無ければ得られなかったことも多いと思う。
約30分待つと、甲府行きの電車が入ってきた想像していたが、それほど混んでいない。むしろ空いている。

しばらく走ると小淵沢駅。小諸行きの乗り換えの電車が待ち合わせ中。夜に高原と言ってもピンとこないが清里などへの玄関口。
そして、甲府駅に到着。
接続する高尾行きまで26分時間がある。しかし荷物もあるし、席も取らなければならない。もう列を作っている人がいたので、そこへ並ぶ。
甲斐大和駅で15分も停車。
星空の下、またスーパーあずさ号が抜いていく。

自動販売機でレモンティーを買い車内へ戻る。
4月とはいえかなり気温が下がってきた。
実は、朝から何も食べていない。
飲んだのはペットのお茶だけ。順番待ちや荷物の見張りなどで買い物が出来なかったのだ。

この空腹に甘くて温かい紅茶はなんとも言いようが無いうまさだった。
そして、終点高尾駅へ。
すぐに、高尾発東京行きの特別快速電車に接続。

いつもの見慣れた電車。
この旅行で経由した県は、東京、神奈川、静岡、愛知、岐阜、滋賀、京都、大阪、兵庫、福井、石川、富山、新潟、長野、山梨の15府県にもなる。まさに中部日本1週ドン行の旅でした。



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