その人は、行き先も決めずあてのない旅に出たのでした。

*「お前のHPはテキストが少ない。写真ばっか。」
「・・・だって書くことないもん。だいたい旅行とか言ってもワンパターンだし、そう滅多に面白いことなんか起こらないし・・・じゃあ一度あてのない旅に出てみようかな。」

まあ、こんなのがきっかけ。
本当にどこに行くかも決めず、旅人となって東京駅に来ました。さてどうなるやら・・・。

とりあえず、新幹線に乗ってしまうと考えるまもなくあっという間に終点についてしまうので、ドン行に乗ってみようかな・・・。ちょうど春休み青春18きっぷが発売中。このきっぷ、ドン行なら一日どこまでも乗り放題。あてのない旅にはぴったり。

第1回 東海道線をひた走り (東京〜高松)
第2回 四国山脈を越えて (高松〜高知)
第3回 四国の西の果て宿毛へ (高知〜宿毛)
第4回 西海の海岸線を行く (宿毛〜松山)
第5回 瀬戸内を横断して西の都へ (松山〜大阪)
第6回 混乱続きの東海道 (大阪〜東京)
東京駅7時24分発伊東行き。
とりあえず、東海道線をどこまでも行ってみるつもり。
この電車、普通列車のはずが、なぜか特急踊り子号の電車。
この電車で出発、ところが・・・
異常に混んでいて乗れない!
席は満席、人はデッキまで溢れているの・・・どうして?
友人にメール。
「リクライニングが付いた特急の電車に定期代だけで乗れるからに決まってるじゃん」・・・と返事。

そんな立ってまで無理して乗らなくてもいいのに・・・とか思いつつ、荷物が多く普通車に入らないので、結局グリーン車へ・・・。
グリーン車は、このとーりで、ガラガラ。
しかし!熱海までグリーン料金950円と、青春18きっぷではグリーン車は乗れないので運賃1890円の合計2840円を払うハメに・・・。
横浜駅で。
まだ乗ってくるの??別に無理してこの電車にこだわらなくてもいいでしょ??

グリーン車は相変わらず人がいない。途中でヘルメットに皮ジャンのバイクショップの社長みたいな感じの人が、大船から茅ヶ崎まで乗っただけ。

あとは、東京駅から一緒のこれから伊豆の温泉にでも行くような感じのカップルだけ。彼氏は鉄道マニアっぽい。
横浜駅を出発。
しばらく東京ともおわかれ(?)
・・・というか、横浜は東京じゃないだろ・・・
国府津で海が見えるとやっと、他所の土地に来たかな・・・という気分に。
小田原を過ぎて、真鶴半島へ。
ここまで来ると、普通車のほうもやっと座れるようになったかなと言う感じ。
いまさら、料金を払ってしまったので移ることなく結局熱海まで乗りとおし。
2時間近く乗ってやっと熱海へ。
どうやら、ここで後ろ5両を切り離すらしい。「踊り子」と書いてあるので、この後特急踊り子号になるみたい。
この電車は、終点が伊東なのでまだ走り続けるけど、伊東方面に行くと終点は下田なので、あっという間に旅が終わってしまう…。

と言うわけで、後から来る豊橋行きに乗り換え。
ドン行で、旅行する外国人が増えている。
これが、結構困った存在。地元の一般の客とトラブルも多いらしい。
今回も、食べ物を散らかして更に中身不明の瓶詰めのようなものを網棚から椅子に落下させて、グチャグチャに汚していた・・・。そこへ何も知らないおばあさんが腰掛けてしまう・・・。
乗った電車は6両編成。
静岡で前か後ろの3両を切り離すらしい。
間違ったら、下手をすると豊橋まで立つハメになってしまう。
荷物が少ない人がいたので、地元の人かなと思い、前か後ろか聞いてみると、彼女も横浜から京都まで行くらしい。

後で、後ろが切り離しと分かり、清水駅あたりで前へ移動。
京都までの道のりは長い!
かつ単調。はっきり言って退屈。こんなとき話し相手が出来たら最強。

大学の話とか、教職のこととか色々聞けたし、世間話をしていたらあっという間に京都駅についてしまった。
結局、大垣からの乗換えのとき10分くらい立っていただけで後は座れたし。

おかげさまで、楽しく旅行できました。
さて、一人になってからが問題。
ちょうどラッシュ時。ここは姫路駅。そろそろトイレに・・・と思っていたら近くに「洗面所」の文字が・・・。

「ラッキー」と思って近寄るとあるのは水道だけ。間違いなく確かに「洗面所」・・・。
結局諦めて、岡山まで。なんとか座れたしトイレもあるものの、混んでいて身動きが出来ないので無いのと同じ。
岡山駅で。
ここから四国へ渡ろうと思う。ただラッシュで電車は混んでいる。
マリンライナーには指定席が付いていた。指定席は2階建ての電車の1階。
みどりの窓口で、指定席券510円を買う。
1階席、なぜかシートベルトが付いている。
多分身体障害者用だと思う。右の椅子の後ろがトイレ。
階段には花が活けてあったり。
無事、岡山を出発。
前に親子3人連れが乗っているだけ。どうも指定券を買わずに乗ったらしい。
お父さんが「早う、車掌来んかな?終点間際で来たら損した気分になるんじゃ」
と、怒っている。
瀬戸大橋を通過中。
夜だから何も写らない。
前のお父さんご所望の車掌さんが、やってくる。良かったですね。終点間際じゃなくて。
四国に着くと最初に止まる駅は、坂出駅。
1階(というか地下?)から見るとこんなに低っくい!

ミニスカとかヤバいんじゃないですか?
そして終点高松へ。
観光用の電車と言うより、通勤用の電車になったマリンライナー。

みんな家路を急いで行きます。
既に21時。今日の旅もここまで。
とりあえず宿探し・・・。
以前、とまったことがある駅付近の高松センチュリーホテルへ。
なんとツインルームで5229円。

一人だとツインの部屋が異常に広く感じる・・・けど便利。
さて、次は更に西へと進んで行きます。

高松は、昔は阪神方面にフェリーが出ていて(今でもあるけど)賑わってたらしいですが、今は関西方面へはバスが主流。

高松から先は、ドン行電車がすごく少ない。昨日は、東海道線など都会だったので1日で700キロ以上移動出来たが、田舎は乗り継ぎの時間が1時間以上あったりするなど便が悪すぎて1日で200キロ動けるかも怪しい。

昨日は、11000円運賃がかかるところを2300円で来れたが、今日は元を取れるかも怪しい。
そういうわけで、バスで移動する。とりあえず高知まで。運賃3300円。

高松駅前、あいにくの曇り。

キャセイ・パシフィック航空のタブをつけた香港か台湾からの観光客が荷物を引いていく。
国内からの観光客が減った高松にはありがたい存在。
VISIT JAPANキャンペーンの効果ありかも。
タクシーで天満屋に来た。
讃岐和三盆、「ばいこう堂」の干菓子を買った。
これが後で役に立つとは、このとき想像もつかないのでした。

写真は、以前住んでいた昭和町方面、県庁と紫雲山。
初めて、コトデンに乗ってみる。天満屋(以前は、そごう)の2階に駅がある。

自動改札があるが、なぜかきっぷが入らない。どうもICカード専用の改札機らしい。なんか中途半端だよなぁ。
とりあえず「高松方面」と書かれたホームに下りていく。
なんか、どこかで見たことがあるような無いような中古の電車が向かいの入ってきた。行き先は「高松」・・・。
あれ〜こっちのホームが高松行きじゃないの??

ホームにいたおねえさんに聞いたところどっちのホームの電車も高松へ行くんだって。

なんか、複雑なホーム。
そして、次にやってきたのは、これは見たことがる京急の払い下げの一宮行き。さっきのおねえさんは、この電車に乗っていった。

高松行きは、6分後に来るらしい。
高松の市内をコトコトといく電車。
この電車も、京急線の払い下げ。(未だに走っているけど)
屋島や琴平にも行くらしい。
車内はこんな感じ。時間帯だからかもしれないが乗客はまばら。
子供が一番前に立って「高松の次はどこ?」とおじいさんに聞く。おじいさんは「海」と答える。「じゃあ、海の次はどこ?」と子供が聞く。・・・おじいさんは困ってた。
そして、終点高松築港駅へ。玉藻公園(高松城)の横。
高松駅からも徒歩3分くらい。
ここでも外国人の観光客がデジカメで写真を撮っていました。
イルカのコトちゃんだって。
コトデンのマスコットみたい。

高松築港駅。

なぜか、このときは日本語も英語も通じない外国人観光客だらけ。
駅員さんも対応に大忙し・・・(^^;

日本語で「これ、お願いします」とかいうと彼らも一息ついて安心したような感じ。
サンポート高松。
だんだん天気も良くなってきました。
高知行きの高速バスと、サンポート高松。
県庁前を抜けると右側が栗林公園・・・。
高松を代表する、観光名所なのにお客さんが少なくて困っているらしい。
動物園も無くなってしまいました。
どの店もやる気なし。
観光シーズンなのに店のシャッターが半開きで開いてるのか開いてないのか分からないし。
県庁前や、ゆめタウンなどで、お客さんを乗せ高松西インターへ。
高松には富士山のような形をした山がたくさんあります。
バスは、105キロくらいで順調に飛ばしていく。
そして、高知道。
川之江から高知まで19もトンネルがあるらしい。片側通行止めで集中工事中。
景色はほとんど見えない。
でも、バスなら多少の景色は見える。(乗用車ではダメ)
四国山脈と川。
いよいよ高知市内に。
高速道路も、南国から高知まで延びて市内までさらに近くなった。
ここで免許を取ったので懐かしいところ。
高松→高知、わずか2時間。
土佐一宮のバス営業所。
ここまで、自家用車を乗ってくればバスの乗客はタダで預かってくれるらしい。

さて、さて、まだまだ西へ進みます。
この先も、やはりドン行列車は一日何本も運転していない。
しかも窪川より先は、土佐くろしお鉄道と言う第三セクターになってしまうので、青春18きっぷは使えない。

なにか、お得なきっぷは無いかなあと思っていたらありました。

「四万十・宇和海フリーきっぷ」
4800円

このきっぷは、高知〜宿毛までの特急列車と宿毛〜宇和島までのバス、宇和島〜松山までの特急列車を利用できる。フリー区間内は乗り降り自由。

ちなみに普通にこのルートで松山まで行くだけで1万円近くかかるので、とってもお得。
ただ、このきっぷ存在をほとんど知られていなくて、駅員さんも発券の仕方が良く分からず、わざわざ奥の書類棚から資料を持ってきて調べてもらったのでした。

一体このきっぷ、今まで何人が買ったのでしょうか??
ほとんど存在が知られていない、謎のきっぷ。
高知駅から特急に乗車。
かなり混んでいる。結構短距離の利用も多く、逆に言えばどれだけドン行の本数が少なく不便かと言うこと。
伊野駅でドン行とすれ違い。こっちも結構乗ってる。
主に、通学用に使われているみたい。
佐川を出るとどんどん山の中に入っていきます。
もっと海沿いの景色を予想していただけに、意外。
須崎の近く。
コンクリの採掘場なのですが、斜面に貼り付いていてまるで、天空の城ラピュタにでも出てきそうな建物。
だんだん空いてきたので、車内を歩いてみました。
相変わらず100キロ近くで飛ばしていくので、車内はかなり揺れます。
かなり、田舎町の景色になってきました。
窪川駅を出ると、乗客はこんなに少なく。
窪川付近は、四国でも寒い地域。
ここでは、「ヒエリ」という香り米を作っていて全国的に有名。
カツオの街、と書かれているが海が見えないよ・・・。
やっと海が見えてきました。
国道沿いに海岸線を下っていきます。
併走するトラックを追い越しにかかります。
こっちも。ディーゼルで走っていますが大出力の高性能エンジンを積んでいるらしく、100キロ以上の高速で山でもどこでもいけます。

道路の向こうは海。
ジョン=万次郎はここからアメリカに渡ったのでした。
そして、中村駅に到着。
ここから先へも線路は延びていますが、例の列車事故で運転中止。
隣には、アンパンマン電車がいました。
中村駅。
ここで、鉄道代行バスを探します。
ありました。
この黄色のバスが、鉄道代行バスだそうです。
女性の車掌さん(バスガイドではない)が1駅ずつ案内していきます。
運転手「おお、今朝より綺麗になっちゅうが。」
車掌「今朝は、すっぴんで来たきね。さっき化粧しちょったよね。」
という土佐弁の会話。
普段バスが入らないようなところへも入っていくので運転手さんも四苦八苦で切り返し。
車掌さんもガイドではないので、切り返しの手伝いは出来ないし・・・。
そして平田駅。
ここで、かなり降りました。
ここは、札所の延光寺があります。
さっき平田駅で降りた人の何人かはお遍路さんでした。
そして宿毛市街へ。
これは例の列車が突っ込んだ宿毛駅。
そんなに被害はなさそうに見えますが・・・。
列車運休のお詫びのお知らせ。
駅の先端に来てみました。
確かにガラスが全部割れてかなりの損傷。
特に危険なこともないし撤去作業は済んだ後なので、前に回り込んでみます。
崩れ落ちた側壁。コンクリなども粉々になっている。
正面から見たところ。
とりあえず、屋根側壁などみる影も無い。

夜間だったこともあり、駅近辺に人がいなかったのが幸い。
駅自体は今すぐ崩壊すると言う事態ではない。
しかし、工事など行う様子も無く復旧のめどは立たず。
駅前方を、室内から。
改札口の付近まで、瓦礫が流れ込んでいた。
鉄道事故の後も、営業する宿毛の観光案内所と喫茶店。トイレや水道なども使える。
ここで、今晩の宿を紹介してもらう。
そして、秋沢ホテルへ。
一人なのにまたツイン。
しかも六畳の和室まで付いている。
メチャメチャ広い。
1泊2食付で6300円。

今日の宿泊客は、自分ひとり。
だるま夕日が見られる季節も終わったとはいえ、ちょっと・・・。
一人で、広い食堂で食事するのは何か、悪いことしている気分。

そしてもっと悪いと思ったのは自分だけのために大浴場まで沸かしてくれていたこと。
自分の部屋もツインでバスつきなのにかなり、迷惑したんじゃないかな・・・と思いました。

そして翌朝、朝食のとき、やはりここでも一人で食事。
丸干しや玉子焼きなど一通りのメニューにお櫃いっぱいのご飯。
一膳だけで結構でございますのに、あまりに多いお櫃「う〜ん」と思いながらも、2膳食べるのでした。
それでもかなり残してしまいました。ごめんなさい。

さて、10時46分のバスが駅前から出るということを前日確認してきたので10時まで目いっぱい部屋を使わせてもらいチェックアウト、駅に向かいました。
それでも、まだ40分くらいありました。

改めて翌日正面から見ると、かなりのダメージ。
ガラスもかなり飛び散ったと思う。なにしろ113キロで、しっかり作られた駅舎に突っ込んだので、双方共にものすごいダメージ。
5分くらい遅れて宇和島行きのバスが入ってきました。
後ろのバスは鉄道代行バス。
乗ってみると80くらいある整理券番号。
東京近郊では、使っても10くらいだし、いかに長距離走るか想像が付いた。
その名も「県界」という名のバス停付近。
確かに愛媛県と高知県の境い目。
わざわざ、新道を避けて細い旧道に入っていきます。民家の軒先を掠めるような細い道です。そこにバス停があります。自家用車ならまず通らないですね。
城辺のバス営業所。
ここで運転手さんが交代。この営業所から各村落に向けて小型バスが、出ている。椅子は一応、軽くリクライニングする。
人は乗ったり降りたり、通しで乗るのはごくわずか。
向こうが新道。
我々がいるのが旧道。バスはわざわざ通りづらい道を行きます。
やっと海が見えてきました。
このあたりはかきの養殖が盛んなところです。
ここから、九州が見えるんじゃないかというほどの見晴らし。
その名も、「嵐」と言う名前の集落。
いったい何が由来なのでしょう?
宇和島市内に入ると急に民家が増えて、お客さんも増えます。結構買い物に行く高校生とかが多い。バスは立ち席で身動きも出来ないほどの混雑に・・・。
そして2、3分遅れてバスが駅前に着きました。
急いで、宇和島始発の特急「しおかぜ」号に乗ります。
この電車はアンパンマン電車でした。
いよいよ出発です。
さて、宇和島駅を出るとずーっとみかん畑と菜の花畑。
関東より春先取りと言う感じ。
みかん畑は急斜面なので、収穫用のモノレールがあったりして面白い。
そして、松山駅へ。
ここで前3両を連結するのだそうです。
早速、先頭の扉を開けて準備しています。
来ました。
これを連結するそうです。しかしこの電車運転室がないじゃん。
つまり3両(60メートル)も後ろの運転室でバック操縦しなが連結するわけです。

結構大技、かつ危険。
JR四国名物の音楽が流れます。
これです。
1時間も駅にいると、この曲が耳から離れなくなってしまいます。
さあ、連結です。
予想通り、「ガチョ---ン!!」とかなりの衝撃音。
というわけで、岡山行きしおかぜ号を見送りました。
これからどうなることやら・・・。

四万十・宇和島フリーきっぷの有効区間は、松山駅。
ここから先は、どうしようかと時刻表を見てみる。
15時30分の大阪行きというバスがある。運賃は6700円。20時30分くらいに大阪に着くようだ。

14時49分発の観音寺行きのドン行列車に乗ると、高松行きに接続することがわかった。
これでも当日中に大阪まで行けるみたい。
松山から大阪だと6000円くらい、(学割なら5000円くらい)なので、18きっぷのお得度合いは、かなり低めだけど、使わないでいたら有効期間中に5枚目まで使い切らない。
というわけで、2枚目の18きっぷを使うためドン行に決定。

14時22分ドン行伊予西条行きに乗っても結局同じ電車なので一本見送って後の観音寺行きに。
ホームに入ったらすぐに乗ったので、好きな席に座れた。
その後、内子のほうから来たドン行列車が、隣のホームに来て、たくさんの人が乗り換えてきた。

最後にテニス部の高校生を乗せて出発進行。
途中からもテニス部の高校生が乗り降りする。四国の女の子の間ではテニスが流行みたい。
「エースをねらえ」の影響なのか、さりげなく上戸彩を意識の彼女たち。
松山を出てからしばらくは住宅地。
伊予和気駅辺りを過ぎると、瀬戸内海が見える。
前に座っていた、おばさんにブラインドをガーッと下ろされてしまったけど、隙間から撮影・・・。
大浦駅にて。
この電車の最大の欠点が判明。なんと、3時間30分も走るのにトイレがない!

だから長時間止まる駅のトイレを使うしかない。
この大浦駅のトイレは1個。おばさんたちが先を争うように、トイレへ駆け出す。
大浦駅で長時間止まった理由は、特急電車の通過待ち合わせがあるから。

車掌さんと運転手さんにどっちから、特急が来るか聞いてみる。と、親切に撮影ポイントやこの先どこの駅で通過待ち合わせをするかまで教えてくれた。
トイレのポイントも教えてくれた。

車掌さんの話によると、この電車はまだ途中トイレ休憩のような停車時間があるけど、3時間以上走りっぱなしの最悪の電車もあるらしい。
伊予亀岡あたりにくると、小さな松島のような風景になる。

長時間乗っている電車の乗客はさっきと面子がほとんど変化がなく、先生と呼ばれているおじさんが率いるおばさん団体と、18きっぷで旅行している70歳くらいの一人旅のおばあさん、鉄道マニアみたいな感じの大学生か予備校生みたいな感じの男子が別々に2名、あとはテニス部の女の子5人組み。そして自分。

このうち、先生と呼ばれている男性が話しかけてきた。お互いどこから来たとかそんな話をする。
先生は、郷土研究家でお城が専門らしい。

今回は、おばさん5人を引率して姫路を出発して神戸から今治へフェリーで、今治城を見学した後、ドン行で宇和島まで。宇和島城を見学して1泊。そして自分が乗った特急の1時間前に宇和島を出るドン行で来たのだそう。
福島正則の大竹城の謎、北条氏の城は何故数時間で陥落してしまったのかなど研究しているらしい。関東方面にも良く来ているらしく、東京近郊の城の話も聞けた。

ついでに、以前安土城へ行ったときの石仏の謎も聞いてみた。

すると、ああいう例は多いらしい。極端なものになると墓石なども使われていたそうだ。ただ、さすがに「○○の墓」みたいな表面部分は裏側にして使っていたらしい。恨みや祈念のためでなく、単なる資材不足で墓から石を失敬したと言うのが有力説なのだそうだ。
新来島どっくの本社。
田舎の風景の中に突然現れるのでかなり不釣合い。ある意味軍艦島のような不気味さも…。

たった2両しかないドン行列車なので長時間乗るとみんなお友達。中には困った人も結構いる。今回は70歳くらいのばあさん。電車の中でお経を唱えたり。若者を捕まえては説教をしている。一番最初の犠牲者は、テニス部の女の子。18きっぷを使えば安上がりなのに、彼女たちが18きっぷの存在を知らず普通のきっぷで来たことが気に入らないらしい。
「あんたたちは、目が小さい!若いんだからもっと良く目を開けてポスターを見なさい!」だそうです。
対して彼女たちは「まだまだ成長するもん!」だそうです。
さすが・・・。
しまなみルート。
ここから因島経由で本州に渡ることも出来る。
今治からバスで尾道まで渡ってみようかとも考えたけど、先生の話も面白いのでこのまま乗っていくことに。

例のばあさんは、今度は大学生を捕まえて説教している。お経の本を見せて一緒に唱えさせている。
このばあさん、大船から2300円で四国まで来たのが自慢でこのまま、ドン行で帰るらしい。でも米原までしか行けないので始発まで一晩駅前をうろうろして始発を待つのだそうだ。まだ寒いのによくやるというか…。

自分は先生たちと話しているので巻き込まれないで済んだ。
これは今治城。
先生によれば、今残っている城のほとんどは図書館や郷土資料館として建造されたものだそうです。

「今治駅に着いたらもっと立派な今治城があるよ」

確かにもっと立派なお城がありましたが、それはマンションなのだそう。ほとんどの人はそっちが今治城だと信じ込んでいるらしい。
特急で通過したら死ぬまで気付かなかったと思う。ドン行で旅行して得なこともあるんですね。
伊予桜井駅で。
長時間停車中。とりあえず前もって車掌さんに予定を聞いていたので、トイレ&写真。

先生も車掌さんに今後の予定を聞いている。昔の汽車時代の懐かしい(というか自分は知らないが…)の話をして車掌さんと盛り上がっていた。
そして、特急がやってきた。
なかなか傑作?

良く考えてみたら特急で旅行したら、こんな写真は撮れないんですよね。
石鎚山には雪が積もっていました。
数日前には大雪が四国でもふったらしい。

電車を観音寺で乗り換える。
このとき、駅員さんが間違って3番線の高松行きを2番線と案内してしまう。
例の説教ばあさんが、「責任をとりなさい」と駅員にまた説教している。
そして、坂出駅へ。
ここで本州に渡るマリンライナーに乗車。
行きは指定席に乗ってみたけど、帰りは自由席に乗ってみる。
予想通り満席。
補助席を引き出して何とか座る。

さて、例の説教ばあさんは、別の男子を捕まえて今度は荷物を持たせている。
う〜ん、巻き込まれなくて本当によかった。
岡山に上陸後、姫路行きに乗り換え。
酔っ払いのオッサンが暴れたりして、まずいなあと思う場面もあったが、なんとかかわして相生で後から来る新快速に乗る。

姫路まで行く先生たちに別れを告げ乗り換え。
最初は空いているが神戸からは満席&通路までいっぱいに。

なんとか新大阪まで行き、地下鉄に乗り換えて今夜の宿へ。

大阪で2泊。
1泊目は、風邪で動けず治療に専念。
2泊目からスタートです。とりあえず、時刻表を見てみるとちょうど接続のよい電車が見つかったので、ドン行で東に向かうことにしました。
当初は例のぷらっとこだまグリーンきっぷという超格安きっぷで帰ろうとしたのですが、ここは根性です。

☆今回乗る電車
第1ランナー○新大阪〜野洲(快速)
第2ランナー○野洲〜米原(新快速)
第3ランナー○米原〜浜松(特別快速)
第4ランナー○浜松〜静岡(各駅停車)
第5ランナー○静岡〜熱海(各駅停車)
第6ランナー○熱海〜東京(各駅停車)

大阪で昼過ぎまで用事があったので、14時過ぎの快速電車へ。これでも東京に23時に着きます。
新大阪から乗車。
乗ったのは快速。快速と新快速、普通列車に、まだまだ関西では多い特急列車が激しいデッドヒートを繰り返しながら追いつき追い越せ複々線の線路を疾走していく。
京都駅へ。
一番左側が、関空行き特急はるか号。
右側が新幹線。
京都で客が入れ替わる。
関西圏は、神戸、大阪、京都という三都で客が入れ替わる。意外と通しで乗る客は少ない。
京都〜大阪26分と、JRは高速運転が自慢。
かつては私鉄有利の関西だったが、JR西日本の経営努力か、スピードアップと運賃の上昇を抑えることで今は逆転している。
乗った快速電車は、野洲駅どまり。
ここで、新快速に乗り換えるが・・・。
結局座れず。
かなりの混雑、もしかしたらこのまま東京まで行く客が多いのか?
野洲駅を出るとすぐ車庫。
ここの始発の電車も多い。ちなみに野洲はIBMや村田製作所の工場があり、小さな街だけど中もかなりきれい。
ほとんど、乗り降りしない乗客。
能登川や彦根などに停車するがほとんど乗り降りはなし。
みんなで関ヶ原を越えるのか?と思えば決してそういうわけでもなく。米原から新幹線や北陸方面の特急に乗り換える人が多いみたい。
川を一つ越えるたび、東京が近くなっていきます。
何本も重なる飛行機雲。
琵琶湖上空は九州方面から来る飛行機の航空路。
米原駅に到着すると、人、人、人。
一体何百人いるの?
普段は静かな駅なのに、三脚をたてて陣取った鉄道マニアでいっぱい。
通路も満杯で身動きが出来ず、やっとの思いで乗り換えのホームにやってくると、原因がわかりました。

名古屋のユーロライナーというイベント列車の最終運転日と重なってしまったのです。
展望室が付いた豪華客車。個室なんかも付いている。
何かスクラップにしてしまうのはもったいないなあ。
ホームに溢れる人。
カメラを提げて狂ったように写真を撮る連中と、ハイキングのおじさんたち。
「団体専用列車なので、一般の人は乗れません。」職員が見回りして歩きます。やったなあ、こんな仕事も。
やっと、動き出してくれました。
しかし、今度は撮影を終えた撤収組みが乱入してくるのです。要注意。

自分はこのごたごたでカメラに傷をつけてしまいました。
やっと、ホームから出て行く、ユーロライナー。
少しはホームの人が減ったかと思えば、今度は鉄道マニアが名古屋方面のホームになだれ込み、大混乱に。

この後4両編成の浜松行きが来る。
もし座れなかったら、浜松まで立たなければいけない。

なんとか、座れることが出来た。予想通り浜松までほとんど人の動きが無い。
鉄道マニアと、東京までずっと一緒なのでした。
そして、浜松駅で静岡行きに乗り換え。
この電車もトイレが無い。静岡で乗り換えた熱海行きもトイレなし。

後ろの席の女の子が「えーっ、この電車もトイレ無いの?」と困った様子。

静岡駅で荷物を席に置き貴重品だけ持ってわずか2分の時間を利用してトイレへ。

18きっぷを使って旅行するにはトイレの場所を覚えておく必要がありそうだ。

そして食料の確保も重要。実を言えば混乱続きでこの時点で朝から何も食べていない。仕方が無いので高松のばいこう堂でお土産に買った干菓子を食べる。砂糖なのでとりあえず満足、

こうして、東京駅に23時26分到着。
○そして教訓
・荷物の多い一人旅は結構きつい。
出来れば荷物の見張りなどしてくれる友人と行きたい。

・とにかく単調かつ退屈。
早めに近場の人とお友達になりましょう。面白い話が聞けるかもしれない。

・食料の確保は早めに。
下手をすれば朝から晩まで何も無いなどということもありえます。

トイレの用意は周到に。
車掌さんにトイレに止まる時間や場所を確かめておこう。

で、これで旅が終わりかといえばとんでもない。
まだ、連打で参りますよ!

MyページTOPへ